高校の先生との関係は、訪問回数ではなく貴学のメディアで積み上がります。

なぜ重要か

受験生が貴学を検討する前に、その背中を押すのは高校の先生です。Katz と Lazarsfeld が1955年に示した「2段の流れ」は、情報がマスメディアから人々へ直接届くのではなく、身近なオピニオンリーダーを経由して伝わることを明らかにしました。Rogers の普及研究も、認知を広げるのはマスメディアだが、採用の判断を動かすのは対人のチャネルだと整理しています。進路指導室はまさにその結節点です。それでも貴学から先生への接点は、年1回・30分の高校訪問と、送りっぱなしの入試要項に絞られています。残る11か月を埋めるのが自前のメディアです。

先生が知りたいのは、入試要項の先にあること

先生が生徒に大学を勧めるとき、必要なのは偏差値と日程だけではありません。「この生徒が入学後にどう伸びるか」を自分の言葉で語れる材料です。ゼミの進み方、教員の人柄、在学生の失敗と挑戦、卒業後の進路——パンフレットが年1回・全員に同じ内容を配るのに対し、メディアは学科単位・生徒像単位で差し出せます。Edelman Trust Barometer が毎年示すとおり、信頼されるのは公式発表より現場の人の言葉です。学生と教員が名前つきで語る記事は、先生が職員室で使える素材になります。

高大連携を、出張授業で終わらせない

出前授業、探究学習の支援、模擬講義——多くの大学がすでに実施しています。問題は、それが実施報告書で完結していることです。連携の過程を記事として積めば、参加した高校の先生と生徒に読み返され、まだ組んでいない高校への提案資料にもなります。単純接触効果の研究が示すとおり、好意は接触の回数で積み上がります。年1回の訪問より、月2本の記事です。そして高校向けに書いた記事は、そのまま入試広報で受験生と保護者が読み、地域連携の実績としても働きます。高大連携推進室と広報課が別々の媒体を持つほど、素材は分散して力を失います。

実績 — TEAM JOSAI!(城西大学)

BOATshipは城西大学とともに、大学公式WebマガジンTEAM JOSAI!を企画・制作しました。「大学の全てを共創」をコンセプトに、駅伝をはじめとするスポーツの物語を大学自身が語り続けるメディアです。「TEAM JOSAI!」という名前は、学生・教職員・卒業生・地域をひとつのチームとして束ねる旗印として設計しました。企画からコンサルティング・編集・コンテンツ配信のデザインと開発まで伴走しています(制作概要はWorksへ)。

さらに詳しく

高校・受験生・保護者を1つのメディアで束ねる設計思想は、ホワイトペーパー「大学広報は、なぜ届かないのか。」(無料)にまとめています。訪問と訪問のあいだを埋める発信計画を今日1枚に落とすなら、記入式のメディア設計ガイド[大学版](無料・記入式)で、コンテンツの柱と体制まで決められます。連載の第1回は大学広報の次の一手は「編集部」になることです。