保護者の納得は、説明会ではなく貴学のメディアで積み上がります。

なぜ重要か

進路は、食卓で決まります。Chapman は1981年の大学選択モデルで、進学先の選択が本人の特性だけでなく、保護者・友人・高校教員といった重要な他者の影響と組み合わさって決まることを示しました。Hossler と Gallagher の1987年の3段階モデルも、進学を考え始める素地づくりの段階で保護者の働きかけが大きいことを整理しています。それでも貴学から保護者への接点は、オープンキャンパスの保護者説明会と、入学後の郵送物に絞られています。家庭で進路が話されるその場面に、貴学の言葉は届いていません。

保護者が知りたいのは、4年後の姿

保護者が判断の材料にしたいのは、学費と就職率の数字だけではありません。「うちの子がこの大学でどう過ごし、どう変わるか」を具体的に思い描ける材料です。1年生の時間割、ゼミの空気、困ったときに頼れる窓口、卒業生の現在——パンフレットの要約では伝わらない部分です。Edelman Trust Barometer が毎年示すとおり、信頼されるのは公式発表より「自分と似た立場の人」の言葉です。在学生の保護者が語る記事は、これから選ぶ保護者に最も届きます。

「説得」ではなく「一緒に選ぶ」材料を渡す

保護者を説得の対象と見るかぎり、発信は説明会の一回で終わります。一緒に選ぶ人と見れば、必要なのは受験生と同じ記事を、同じタイミングで読める場です。親子が同じ記事を読めば、家庭の会話に共通の話題が生まれます。単純接触効果の研究が示すとおり、好意は接触の回数で積み上がります。年1回の説明会より、月2本の記事です。そして保護者向けに書いた記事は、そのまま入試広報で受験生に読まれ、高校の先生が生徒に勧める材料にもなります。受験生・先生・保護者で媒体を分けるほど、素材は分散して力を失います。

実績 — TEAM JOSAI!(城西大学)

BOATshipは城西大学とともに、大学公式WebマガジンTEAM JOSAI!を企画・制作しました。「大学の全てを共創」をコンセプトに、駅伝をはじめとするスポーツの物語を大学自身が語り続けるメディアです。「TEAM JOSAI!」という名前は、学生・教職員・卒業生・地域をひとつのチームとして束ねる旗印として設計しました。企画からコンサルティング・編集・コンテンツ配信のデザインと開発まで伴走しています(制作概要はWorksへ)。

さらに詳しく

受験生・保護者・高校の先生を1つのメディアで束ねる設計思想は、ホワイトペーパー「大学広報は、なぜ届かないのか。」(無料)にまとめています。家庭に届く発信計画を今日1枚に落とすなら、記入式のメディア設計ガイド[大学版](無料・記入式)で、コンテンツの柱と体制まで決められます。連載の第1回は大学広報の次の一手は「編集部」になることです。