研究成果は、プレスリリースではなく貴学のメディアで社会に届きます。
なぜ重要か
貴学には毎年、報道されないまま眠る研究成果が積み上がっています。リリースを配信しても、載せるかどうかを決めるのは記者です(ニュースバリューとゲートキーピング)。自前のメディアを持てば、その判断を他者に委ねずに済みます。研究広報が届く相手は一般読者だけではありません。共同研究先の企業、外部資金の審査に関わる人、そして「ここで学びたい」と考える受験生が、同じ記事を読みます。研究広報は広報課の副業ではなく、経営課題です。
「わかりやすく」だけでは届かない
研究広報の改善案は「専門用語を減らす」に偏ります。しかし Sturgis と Allum が2004年に示したとおり、知識を注入すれば理解と支持が増えるという「欠如モデル」は実証的に支持されていません。知識量と科学への態度の関係は、そこまで単純ではないのです。Fiske と Dupree が2014年に整理したのは、科学的なメッセージの受け止めが、話し手の能力の認知だけでなく、信頼できる・こちらの側に立っているという温かさの認知に強く左右されるという点です。読者は「何を知っているか」と同じくらい「誰のために研究しているか」を見ています。語るべきは成果の要約ではなく、その研究者が抱えている問いと動機です。
研究者を主役に、連載として積む
Dahlstrom は2014年、非専門家に科学を伝える場面で物語形式が理解と関与を高めることを整理しました。Green と Brock の物語的移入の研究も、固有名詞と情景のある語りが読み手の態度を動かすことを実証しています。実務への翻訳は明快です。成果発表を単発で出すのをやめ、研究者を主役にした連載として積む。研究室の日常、失敗した実験、この問いに取り組む理由——ここに読者がつきます。そして1本の記事は入試広報・産学連携・卒業生広報の3方向で同時に働きます。研究推進部と広報課が別々の媒体を持つほど、素材は分散して力を失います。
実績 — TEAM JOSAI!(城西大学)
BOATshipは城西大学とともに、大学公式WebマガジンTEAM JOSAI!を企画・制作しました。「大学の全てを共創」をコンセプトに、駅伝をはじめとするスポーツの物語を大学自身が語り続けるメディアです。企画からコンサルティング・編集・コンテンツ配信のデザインと開発まで伴走しています。人を主役に据えて連載として積むというこの編集の型は、扱う題材がスポーツでも研究でも変わりません(制作概要はWorksへ)。
さらに詳しく
研究・入試・卒業生を1つのメディアで束ねる設計思想は、ホワイトペーパー「大学広報は、なぜ届かないのか。」(無料)にまとめています。貴学のコンテンツの柱と体制を今日1枚に落とすなら、記入式のメディア設計ガイド[大学版](無料・記入式)をお使いください。連載の第1回は大学広報の次の一手は「編集部」になることです。
